俺のギター部屋ブログ
ライブアルバムが完成しました
この夏、8年ぶりにアルバムを作りました。
ライブアルバムで、タイトルは『CONCERT & ART EXHIBITION』。
2019年2月17日に渋谷ラ・トリエで行った私の絵画作品の展示と弾き語りコンサートの模様をパッケージにしたものです。
アルバム音源はCD制作用に録音したものではなく、ライブ当日にスタッフが個人用に撮影したホームビデオの音声部分を切り取ったものです。CDのマスタリングはスタジオ・トーンマイスターの三住和彦氏にお願いしましたが、ほとんど加工不能なビデオ音源でしたので、雑音も多くお聴き苦しいところもあるかもしれません。
後々にパッケージにするつもりも予定もなかったそんな音源を今回私がCDにして残したくなった理由は一つしかありません。
このライブには私の四十年来の恩師である作詞家・喜多條忠先生が来場登壇し、コンサートを録画した映像に先生の「12分間のスピーチ」が記録されていたからです。
先生のスピーチはCDの7曲目「浮雲」と8曲目「自転車泥棒」の間で、開始37分過ぎたあたりから12分間続きますが、その声を残すことは弟子である私の務めのような気がしたからです。
当時、喜多條先生は作詞の依頼が多い上に日本作詞家協会の会長やJASRACの理事も兼務していて大変多忙でした。そんな事情もあり最初は一時間ほどの予定で私の演奏を聴きに来てくださる話になっていたのに、当日は私の演奏開始の20分ほども前にフラリと会場に現れ、結局は休憩を挟んだ二部構成の2時間30分もあった当日の私のステージを最初から最後まで、全楽曲を、席から身を乗り出すようにして丹念に聴いてくださいました。
そしてコンサートの翌日と翌々日に二度も電話を頂戴し「良いコンサートだったねえ…あんなに良いコンサートは久し振りだったよ」と言っていただきました。
アルバム収録12曲の内訳は、当日演奏した15曲の中から私のオリジナル曲9曲に、当教室の創れるコースに以前在籍していた生徒様の作品を3曲加えました。
共演はフルート奏者の伊藤真智子さん。
使用ギターは1964年製のMartin 00-21 New Yorker です。
このアルバムは販売目的ではなく喜多條先生に差し上げるためだけに作りましたので、パッケージデザインも全て私の手作りで、制作枚数は僅か10枚です。
コロナ禍もあり2019年2月17日のコンサート以来、私は先生に会っていません。でもたとえお会いすることは出来なくても、私はいつも先生と繋がっていると思っています。
私にとって音楽とはそういうもので、このアルバムはその証です。