俺のギター部屋ブログ
弾き語りライブにトークは必要か?
1970年代に活躍したフォーク系歌手にはトーク(話)の上手な方が多くいらっしゃいました、トークで笑わせ歌で泣かすといった神業のような芸風をお持ちのフォーク歌手が大勢。
あれは彼らが創り上げた演奏スタイルだと思いますが、いまでも(特にアコースティックギター1本で歌を歌う方は)歌の合間に約束事のようにお話しをされる方が多く見受けられます。
ですが個人的な好みを申し上げれば、私は音楽ライブでのトークを聞くのが年齢と共につらくなってきました。
ジョアン・ジルベルト(当時75歳)のステージを観たのは2006年でした。
その日ジョアンは開演時刻を2時間半も遅刻して5,000人ほどの聴衆が待つ東京国際フォーラムに到着しました。そしてたった一人のステージに上がり何も語らずギターを弾きはじめ、3時間ちかく休みも入れず美しい声で歌い続けました。
最後の歌を歌い終わった後はしばらく直立不動で5,000人全員の拍手を浴びていましたが、突然たまりかねたように客席に何度も何度もお辞儀をし始めました。それから一旦ステージを降りましたが、アンコールの拍手が鳴り始めた瞬間にすぐステージに戻り5曲を立て続けに演奏し再度のアンコールにも2曲歌いました。
日本語の「コンバンワ」も「アリガトウ」も「(遅れて)ゴメン」も一言も発せず、ただ体力の続く限りギターを弾き、歌い続けました。
あれは本当にかっこよかったです。